JAPAN STORYでは、日本の各地に残る神話や昔話、謂われ等、ゆっくりしたペースで物語っていきます。
今回は本場大島紬の仕事をした時に鹿児島県の喜界島の昔話「月と太陽の物語」が面白かったのでご紹介しますね。
ある夜の出来事でした。
太陽と月は寝る前に
次のような約束をしていました。
今宵、太陽か月のどちらかのお腹の上に
「シャカナローの花」が咲いた方が
昼の太陽になる。
咲かなかった方は夜の月になる。
そんな約束をしていました。
この夜、「シャカナローの花」は
月のお腹の上に咲いたのです。
太陽は月よりも先に目が覚めました。
そして、「シャカナローの花」が
月のお腹の上に咲いているのを見た太陽は、
自分が「昼の太陽」になりたかったので、
月に気づかれないように
自分のお腹の上に、花を植え替えたのです。
それからは太陽が昼に、
月は夜に出るようになりました。
太陽はしてはいけない事をしたしまったので、
今では誰も、まともに直視する事が出来ない
姿になってしまいました。
一方月は、誰もがいつまでも
その姿を見ていられる、美しい姿をしているのです。
物語の「シャカナローの花」は架空の花ですが、
島人には、夏の夜に咲いて朝には散っている
一夜限りの花 「サガリバナ」と信じられています。
その花言葉は 「幸福が訪れる」
とても素敵な花言葉です。