今回のJAPAN STORYでは、全国に残る羽衣伝説の中で、1200年以上前に書かれた、滋賀県長浜市「近江国風土記」と京都丹後市「丹後国風土記」に残るものが最古とされています。その長浜の羽衣伝説を呟きたいと思います。
ある日、漁師が湖畔に倒れている美しい女性を見つけます。
彼女は織物の上手な女で、羽衣をまとっていました。
漁師は彼女を介抱し、自宅に連れて帰ります。
その後、彼女は漁師と結婚し、彼との間に子供も生まれます。
しかし、彼女は人間の世界に長く留まることは出来ず、天の川の彼方にある宮殿に戻らなければならないと告げます。
彼女が去る日が来ると、彼女は湖畔で羽衣を広げ、天に舞い上がっていきます。
それを見た漁師や子供達は彼女を追いかけますが、羽衣は天に達すると風に舞い上げられ、彼らの手から離れてしまいます。
京都丹後市に残る粗筋は長浜とは異なりますが、天女が稲作や機織り技術をもたらした影響で、丹後も長浜も絹織物の産地で有名ですからうなずけますね。
●最後に、写真の女性は? と質問がありましたが、「淮南衡山列伝」に皇帝の命を受け、童男童女と百工(技術者)を従え、五穀の種などを持って東方(日本)に船出したと残っています。日本の文化は大陸の影響を大きく受けていたと言う事ですね。