今回のJAPAN STORYは、日本で一番最後に造られたお城はどこなのか?
気になって調べてみると、京都府南丹市園部町の「園部城」でした。
なんと明治になってから完成したというお城で、現在は原型を留めていませんが城址の上に立つ園部高校にその遺構が一部残されているらしく、遠くないので、行ってきました。
日本で最後に造られた城「園部城」の城門を校門にしている園部高校。
そうなんです! 学校なのです。京都府立園部高等学校、と付属中学校の校門はお城の門そのもの。この学校は丸ごとお城の跡に建っているのです。
園部城の歴史を紐解くと、1619年に小出吉親(よしちか)を初代として誕生した園部藩は陣屋格で、中規模の城に匹敵する陣屋域(城域)を備えていました。
幕末の京都は動乱が相次ぎ、園部藩はその影響を危惧して、万一に備え城郭への改修願いを幕府に届け出たのです。
しかし、この届出の直後に大政奉還が行われたため、正式な許可は下りませんでした。
翌年、明治新政府に「帝都御守衛」という目的で申請、ようやく受入れられて、櫓門三ヶ所、櫓五ヶ所、さらにお堀も造成され、1869年に悲願の園部城が誕生したのです。
250年という長い期間を経て一族の念願が叶った園部城ですが、なんと完成の3年後にあえなく廃城になり、大半の建造物は取り壊されてしまいますが、その一部である「櫓門」と隣接する「番所」、そして「巽櫓(たつみやぐら)」が現在の園部高校の敷地内に残されたのです。
園部城跡である園部公園内には天守閣がありますが、これは単なる模擬天守で南丹市国際交流会館の建物。残念ながらこちらの天守は観光客向けの用途ではなく、会議や研修向けの建物。
一般の観光客が行ってもその展望を楽しめるようなものではないのが勿体ない建物です。
そしてその天守の真下には屋外プールがあるのですが、これがお堀の跡を利用して作られたプールなのです。お城を見上げながら泳ぐプールというのもGoodですね。