今回のJAPAN STORYでは平安京のメインストリート「朱雀大路(すざくおおじ)」を楽しみたいと思います。
朱雀門から羅城門まで,南北に4キロメートルにわたって延びる,平安京のメインストリート。その道幅は80メートルほどあり,並木として柳が植えられていました。
平城京も平安京も中国の長安をモデルにして建都したわけですから、長安の街路にシダレヤナギが植えられていたということでしょう。
朱雀大路の両わきには、貴族の邸宅や役所の建物などがたちならび、迎賓館としての東、西鴻臚館や天皇家別邸である朱雀院なども建てられていました。
この大規模な道路も平安後期頃から荒廃し、この朱雀大路の痕跡をとどめるのが、現在の千本通りです。JR山陰本線が千本通りに並行し通されたのが1897年で用地の買収が安易な背景があったようです。
また、『古今和歌集』に
「見渡せば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」
という素性法師の歌があります。
見渡すと柳と桜がまじりあっていて
都こそ春の錦だったのだなぁ
ふつう錦といえば紅葉をあらわしますが、
素性は緑の柳と桜の花に彩られた京都を「春の錦」と讃えたのです。
平安京の街路樹は柳だったといいますから、
桜も相まってさぞ美しかったことでしょうね。