
今回のJAPAN STORYは、京都の夏の風物詩「五山送り火」を楽しみたいと思います。五山の送り火は、毎年8月16日の夜、京都市内を囲む山々に巨大な文字や形が火で灯される、京都の伝統行事です。 お盆に迎えた精霊(しょうりょう)=先祖の霊を、再びあの世へと送り届けるための「精霊送り」の行事として知られています。
これは京都の夏を代表する風物詩であり、仏教的な意味合いとともに、地域の人々の心に深く根付いた伝統文化です。


最初に点火される大文字山、その後、「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と、順に点火されていきます。
それぞれの火は約20分ほど灯され、夜空に浮かび上がる光景は非常に荘厳です。
明確な起源は不明ですが、一説には戦国時代の万灯会(まんとうえ)に由来し、やがてお盆の精霊送りとしての「五山の送り火」に発展したとされています。江戸時代の文献にはすでに記録があり、400年以上の歴史があります。
お盆の期間、先祖の霊が家に戻ってくるとされますが、8月16日にはそれらの霊を感謝とともにあの世へ見送る行事が行われます。その「送り火」は、霊が迷わず冥界へ帰れるように、道を照らす意味を持っているのです。
