JAPAN STORY 今回は日本の着物の色や柄にどの様な謂われや伝えたい思いがあるのか、呟いてみました。
この振袖は妻が20歳を迎える時におばあちゃんから誂えてもらったもので、45年前のものです。
姪孫(てっそん)が二十歳の記念に着たいと言うので、箪笥から出して、あらためて、振袖を眺めていると色や柄について調べてみたくなって、それらを紐解いてみました。
生地は綸子で、光沢があり、地模様には有職文様(ゆうそくもんよう)の業平菱(なりひらびし)が織り上げられています。
※この連続文様を使う意味は、「終わりのない、これからもずっと続く」と言う永遠を表現しています。
※業平菱(なりひらびし)は、平安貴族最高の美男・在原業平(ありわらのなりひら)の名前が付けられた伝統文様で昭和50年当時の流行だったようです。
選んだ振袖の色は紫。古代紫・江戸紫・青紫・小紫・若紫・藤紫などなど紫色の種類は多色です。その中で、おばあちゃんは京都で染めた紫の意味を持つ「京紫」を選びました。
少し赤みがかった紫で 「優雅さ」を意味している色なんです。
その紫地に染められた疋田模様(ひったもよう)に絞りを加えた流水模様は生命にとってかけがえのない大切なものとして昔から描かれていました。
※苦難や災厄(さいやく)をさらりと流す ※流れる水は腐らず常に清らか、なんて言う意味が込められているそうです。
そしてそのデザインの中心に扇面模様があります。
扇形はその末広がりの形状から ※発展や繁栄を願うとされて、お祝いの席にふさわしい縁起の良い柄です。
流水に舞う扇面には四季の花々や吉祥文様・有職文様がデザインされています。
(春) 梅・さくら・牡丹
(夏) 菖蒲・藤・紫陽花
(秋) 萩・桔梗
(冬) 菊が描かれています。
四季咲き誇る花々を身に纏って、これからの人生を謳歌してほしいという事でしょう。
何だか、おばあちゃんの優しさやその気持ちが伝わって来ますね。
最後の写真は二人が21歳のお正月にキモノでデートした時のもので、
流石に妻の顔出しはNGでした。(笑)